鈴村貴彦 退団のお知らせ

2003年入団。劇団員として20年間一緒に舞台を作ってくれた私たちの大切な仲間です。
入団してすぐ「青木さん家の奥さん」の主演のたけし役に抜擢され、訳も分からず必死に食らいつていたあの頃を思い出します。
彼の努力とたくさんの経験を経て、2021年には第22回関西現代演劇俳優賞受賞しました。
彼との思い出は余りにも多すぎて語り尽くせませんが、第二の修行に向けて頑張る鈴村貴彦をこれからも応援して頂ければ幸いです。


 

鈴村貴彦と申します。まずは感謝を。本当にありがとうございました。
退団をするときだけ、こうやって気持ちを記すというのもなんだかやるせないです。
様々な気持ちが動きました。こうして胸に残る重さを感じるのは、名残惜しさなのか、まだちゃんとわかっていません。

ほんとに様々な人との関わりを常に最前線でぶち当たらせてもらえる所が、南河内万歳一座だったと思います。
それは入団したてであろうが、年数が経った劇団員だろうが、まったく関係なく、それぞれの視野の中で360度、上も下も全部見ながら、見落としながら、本公演をするために、内藤裕敬が描く世界を舞台上に立体化させるために、もがきにもがく。そんな毎日、場所でした。

そんなこと言いながらさぼり癖のついた昨今だったかもしれません
それでもいさせていただけたことで、逆に居づらくなってきたのかもしれません。
おそらくそう思っているのは自分だけで、何も思いつめなくても。となっているかもしれませんね。

先にも述べましたが、退団にいたる経緯は様々な気持ちたちです。
全部消化できていたのならたぶん退団していないです。

半ばで退いてしまうこと、どうぞお許しください。

過去の入団条件に、「修業期間:一生」とあったのを思い出します
今でこそその文言は外されましたが、その道を極める人としてこの集団に居続けることができなかったのが残念でなりません。

これから、また、新しい修行を重ねていく毎日です。
たまには息抜きもしますし、どこかの折に演劇に触れる機会があればいいなとも思います。
まずはここまで。たくさんの人と出くわすことが出来ました。
また楽しい時間を一緒に過ごさせていただきました。
皆さま本当にありがとうございました。

南河内万歳一座の先輩後輩たちは屈強です。さらなる応援、どうぞ宜しくお願いいたします。
そして、ないとうさん、また釣りいきましょう。
感謝ばかり。ありがとうございました。

鈴村貴彦