南河内万歳一座 杮落とし特別公演「まさか様のお告げ」裏万?!記者発表レポート
9月6日(水)16時より「まさか様のお告げ」の記者発表を劇団稽古場にて行いました。
この日は、雨。お足元の悪い中お越しいただきありがとうございました。
★記者の皆様にお配りした企画書より★
「OMC・杮落とし公演について」
かつて、大阪の中心部、北区扇町に、扇町ミュージアムスクエアがありました。
関西小劇場界の拠点劇場で、多くの俳優、作家、演出家、スタッフが誕生し、現在も全国で活躍しています。
大阪ガスの運営は、当時のメセナ大賞を受賞し、今でも伝説となっています。
18年間の活動を終えてから20年後の本年、再び扇町に新しい劇場「扇町ミュージアムキューブ」が生まれます。
今回の公演は、オープニングの杮落としを飾るものです。
新劇場の杮落とし公演は、地域の演劇人や広い世代の観客に認知と広報、今後の可能性をアピールする事業とならねばなりません。
劇団創立43年目となる南河内万歳一座がその大役を依頼されました。
ここから、多くの作品発表と多くの観客により活況を呈し、新たなる演劇の拠点となるべく、その責任は重いと感じております。
オーディションにより有望な若手を採用。
かつて扇町ミュージアムスクエアで活躍し、今も先頭集団を走るメンバーを客演に迎え、新旧の顔合わせに新しいアンサンブルと広い世代へのアピールを実現します!!
よろしくお願いいたします。
内藤裕敬
あらすじ
~「まさかの未来がやって来る!空は顔色を変え、全ての歴史が終わる。さぁ、まさかの今へまっさかさま!」まさか様のお告げに、勇ましく立ち向かえ!~
そこは、廃業した病院か・・・?15人の老若男女が一室にいる。
どうやら昨夜、終電が行った後、そこへ集まってしまったらしい。
世代間の対立と時代のストレスが、やがて、それぞれの今と背景を浮かび上がらせる。
未来に希望を持てないことを、うすうす感じながらの現代を、私達は、どう生きて行くのだろう…。
15人の登場人物達が、50分にわたり、密室で、これまでと今を旅するが、その先に見える「人の消えた街」は、どう再生に向かうのか。
記者発表に久保田浩さん(遊気舎主宰)と劇団員荒谷清水も登壇しました!!
万歳記者部は、記者発表でこのお二人が話した内容に着目し、裏万記者発表レポートをお届けします♪
2年半振りに劇団員、荒谷清水が出演!!
内藤:久し振りに出てみてどうなの?
荒谷:ずっと出てない時も配信なり、生では観てたんで…。
後輩たちがしっかりしたなと。演劇的にも、劇団の裏の仕事なんかに関しても、すごくしっかりしてて、僕はたまに帰って来る親戚のおっちゃんみたいになっていて、「本当~しっかりしたよなぁ~みんな!」というのはあります。
今回、登場人物がずっと舞台上に出ずっぱりなので、一緒に芝居して、実質その成長を感じ得るんだろうなぁと思い楽しみですね!
芝居はムズイっすよ!!(笑)結構大変です。
今回は舞台美術がすごくシンプルなので、逃げ場がない。その分、やりがいがあるので、とても今回楽しみにしています。
遊気舎主宰・久保田浩さんは初出演!!
内藤:初めての久保田さんはいかがですか?
久保田:内藤さんの話しを聞くだけでお腹いっぱいになりますね!(全員大笑い)
内藤:俺ね、最初スゴイ説明するわけ。こういう世界観が…、とかこう言う要素があるから踏まえとけよとか、まだ書いてねえけどなとか良いながら。最初はおれが半分くらい話してるのよ、稽古時間の。芝居が出来て来るとあんまり喋んない。まだ喋ってるな!
久保田:十分喋ってますね。
荒谷:昨日も喋ってた!
久保田:まずこの場所にいることが、30年前の僕からしたら信じられないことで。
私が19、20歳で芝居をはじめた頃に、どっぷり関西の小劇場の世界にのめり込んでしまったんです。
歳こそは、4つ5つくらいしか変わないのですが、この世界では大先輩で。
東京の劇団もたくさん大阪に来てたし、なんせ演劇に夢中になった僕はいろいろな演劇を観ました。
演劇のえの字も知らない僕は、南河内万歳一座のお芝居はかなり衝撃で!
かと言え、ずっと観てる訳ではないですけど~。(笑)
「二十世紀の退屈男」の初演を観た時に、この世界はなんなんだっ!!
今だに言葉ではうまく言えないですが。19、20歳の世の中を知らない僕が、その先のなんの心配もなく、親の手前、大学に行ったけども、その先のことも何も考えず。夢だけはあるけれども先のことは現実に考えてない若者の僕が・・・。思い悩み、切なさもありながら、なんせ凄かったっす!!(全員大笑い)
その頃の僕にグッと飛び込んで来たんだと思います。
一番初めに劇場に入った途端に緞帳もあり、それが開き、西陽射すアパートがあり、人がうごめき、人が押し入れに入り、押し入れが開き、お風呂になり、雨が降り、なんなんだこれはっ!!!!!!!!!
中学の頃は、毎週映画3本見に行って、来週見る映画のチケットを3枚買って過ごしてた僕が、演劇と言うものはなんだ!!
僕は万歳さんのおかげで、僕の40年、棒に振ったようなもんです!(全員大笑い)
40年位芝居をやってきて、これから芝居どうすんねん、とこの3、4年は考えるようになっちゃって。
自分は遊気舎という劇団ですが、このままどうなるんだろうと思う矢先、このお話しをいただきまして。正直言いますと、酔っぱらった時に「出してくれ、出してくれ」と言ったのが始まりで。そんな事いう人間ではないのですが。でも万歳さんは憧れの劇団で。
しかも遊気舎の若い子が、時々万歳に出演してて、僕はそれを見ながら、「なんでお前らが出てんねん。出るべきは俺やろ。」と心の中でずっと思いながら。(笑)
ところが最近、先輩方とお酒を飲む機会がありまして、その勢いで「僕ですよ。出るのは!」と言っちゃったせいで、お声をいただき。最初は本当にどうしようかと迷いました。
扇町と言う劇場、あの劇場(扇町ミュージアムスクエア)がそのままではないですけど、扇町と言う場所で、万歳さんが杮落としをするという公演は、逆に僕が観たいくらい。
客演に呼ばれたけど、純粋な万歳さんだけのお芝居が扇町という杮落としであるべきなのに~、みたいな想いもありながら・・・。
でも、この機会をいただいた有難さも味わいたい。と言うことでお返事させてもらって。
「演劇ってなんなんだろう」と言うことを、19、20歳の頃の僕に戻って、観に来てくださるお客さん達に表現できたらいいかな、と言う想いです。
ただ稽古の半分は、内藤さんの話しを聞くっていう。(笑)
決して怒ったような顔をしない内藤さん。いつも優しい顔の内藤さん。包容力のある大先輩。そして、僕等劇場で観てた先輩方と、若い人達、楽しんで稽古やっております。
内藤裕敬の戯曲について語る!!
荒谷:座長の本は、どう書くかより、どういかに書かないかと言うことをずっとやってて、それがまた進化したというか、スゴク。今回は特に台詞劇なんで、台詞は書いてるけど、いかに書かないかということをやるか。喋る側としても、イメージとかそれぞれの個人の役目とか、しっかり身に入ってないと、ちょっと喋っても身に入ってない所はなんか違うな~って!
スゴイ面白いけど難しいので、今回は特にやりがいがある。それを15人でやるのが楽しみ!
久保田:万歳さんのお芝居って群衆のお芝居だし、15人が同じ舞台上でずっといる芝居、出っ放しってなかなか難しい。
台詞は、清水さんがおっしゃったみたいに書ききってない所が良いとおっしゃった万歳さん同士の表現をこっちが言うとすると、書ききれてないのが、言いにくいみたいな所はありますね!(全員大笑い)
久保田:僕自身も今、書ききれてないのが言いにくい。これ、辻褄あうんかな、この台詞。とか、ただそれは、役者は台本をみて役者がわかりやすい台詞があれば良い台本とは絶対違うんと思うんで。内藤さんはその辺も若い子たちにも教えようということを踏まえてやっている。それは役者が与えられた台詞をどうこなすか、内藤さんがどう話すか期待する、期待してなくても遊びの部分を役者は出すもんやと。それこそ、新人の役者に戻ったつもりで喋ってます。
稽古してると鈴女さんや清水さんの、内藤さんが書かれてる台詞をガーーッと喋ってる所を横で見てると、あぁ、あの頃観たた鈴女さん!清水さん!!演出がこうだって言う所もあるだろうし、やっぱり役者さんの持ち味があってやってるんやな~、それを俺は観とったんやな~ていうのが、稽古でもね、
内藤;お客さんになってるよ!!(全員大笑い)
久保田:そういう楽しみ方もしてます。(笑)
お二人に熱く、そしてユーモアたっぷりに語っていただきました。ありがとうございました!!
本拠地である南河内万歳一座の出演は、2年半振りの荒谷清水。親戚のおっちゃんのように温かく後輩たちを見守りながら、万歳の舞台を引率してきた荒谷の演劇魂を見せ付ける!存在感と破壊力、まだまだ荒谷は尖ってます!!
今回、万歳初出演となる遊気舎主宰の久保田浩。
ベテランでありながらもピュアさも忘れない久保田さん。見た目はハードボイルド、中身はチャーミング!!
久保田さんが台詞を発すれば、たちまち舞台上は久保田ワールド!!ハマります!
内藤裕敬が記者発表で語った「まさか様のお告げ」は、色々な媒体で記事にて紹介していただきますので、そちらも是非お楽しみにしてください!!
向かって上段左より
長山知史(創造Street/大旅軍団) 原佑宜(創造Street) 長橋遼也(リリパットアーミーⅡ) 寒川晃
丸山文弥 有田達哉 内藤裕敬 鴨鈴女 桶本京香(創造Street) 松井千尋(リリパットアーミーⅡ)
向かって下段左より
市橋若奈 久保田浩 (遊気舎) 荒谷清水 福重友 松浦絵里
是非、劇場にて「まさか様のお告げ」をご覧いただければ幸いです。心よりお待ちしております。