この度、南河内万歳一座が、令和元年度「大阪文化祭賞」を受賞する事となりました。
平時よりご指導ご鞭撻、並びにご声援を賜っている皆さまに、まずもってご報告させて頂きます。
誠にありがとうございました。
「大阪文化祭賞」とは、大阪府、大阪市及び公益財団法人関西・大阪21世紀協会が、芸術文化活動の奨励と普及を図り、大阪の文化振興の機運を醸成することを目的に、大阪府内で上演された公演の中から優れた成果をあげたものに対して贈呈するもので、今年で56回目の開催となります。
このたび、令和元年に大阪府内で開催された公演を対象に、独創性に富み、企画・内容・技法が総合的に優れていること等について審査をいたしました結果、各賞を決定いたしました。
令和元年度大阪文化祭賞 受賞者
大阪文化祭賞
・仮名手本忠臣蔵 九段目 山科閑居の段 出演者ご一同 「11月文楽公演」の成果
・南河内万歳一座 「~21世紀様行~唇に聴いてみる」の舞台成果
・K★バレエスタジオ「33回メモリアルコンサート」の成果
大阪文化祭奨励賞
・山村若・山村侃 新進と花形による舞踊・邦楽鑑賞会『竹生島』」の成果
・尺八古典本曲断片ご一同「尺八古典本曲断片 其の玖 三谷・菅垣 弐」の成果
・五代目 旭堂小南陵 連続講談千鳥亭における「妲妃のお百」の舞台成果
・古瀬まきを「古瀬まきを ソプラノリサイタル~La voix humaine~」の成果
・アンサンブル九条山 アンサンブル九条山コンサート vol.7「セレクションズ」の成果
※副賞賞金として、大阪文化祭賞20万円、大阪文化祭奨励賞5万円がそれぞれ贈られます。
(第2部門:現代演劇・大衆芸能)
南河内万歳一座受賞理由
1980年に旗揚げした南河内万歳一座が、創立40周年のカウントダウン企画として、初期の代表作「唇に聴いてみる」(84年初演)を、「~21世紀様行~」の副題をつけて上演した。劇団としては実に23年ぶりの再演である。
マンモス団地に住む青年が窓から不審火を発見したことから、時空を超える物語が展開していく。
俳優の身体と装置を駆使し、六畳の部屋を西部劇の荒野や学校の運動場に一変させる演出はダイナミック。
ベテランから若手までの劇団員とオーディションメンバーが一つになって挑んだ舞台は、生の演劇にしか表現し得ない躍動感と楽しさを伝えた。
地域コミュニティーの変貌、都市に暮らす若者の孤独と焦燥感など、描かれたテーマは決して古びてはおらず、新鮮に受け止めた観客も多い。
旗揚げ以来、一貫して大阪の地から拠点を移すことなく全国にその名を知らしめ、関西小劇場界を牽引してきた同劇団の底力と、若い才能や演劇ファンを育ててきた功績を改めてたたえたい。
座長・内藤裕敬より
この度、大阪文化祭賞を南河内万歳一座が「唇に聴いてみる」で授賞いたしました。
27歳の頃、六畳ひと間のアパートで炬燵にはいって朝まで原稿用紙に向かってましたね、毎日。
劇作というのは、孤独な戦いですから、その作品が評価され、何度も再演されることは、一人きりだったった数々の夜が宝物に変わる思いですね。
初演から30年以上が過ぎ去った昨年の再演に、沢山のお客様が駆けつけてくれて、懐かしい名や顔を客席やアンケートに見つけ、「唇に聴いてみる」という作品が、私を追い抜いてどこかを今も走っている。
孤独の夜の産物が、数多の記憶となって今も、アチコチのどこかで生きている。不思議で嬉しかった。
私と南河内万歳一座に関わる全ての皆さんの授賞だと思っています。
ありがとうございました。これからも宜しくお願いします。
南河内万歳一座 座長 内藤裕敬